
前回この記事で転職面接についてのアドバイスを書いたところ好評でした。
で、今回転職の面接って具体的にどんな流れで、何を聞かれるの?という質問がありましたので、今回はリアルな転職面接の流れと聞かれる質問について書いてみます。
私自身面接官の経験があり、また転職面接を100社以上は受けた経験があるのでまだ転職の経験がない人や、数回しか面接を受けたことがない人にリアルなイメージをもってもらえると思います。
ただ管理部門出身(法務部、人事部)なので、営業部門などでは多少話が変わってくるかもしれません。
この記事の目次
面接官が聞きたいことは3つだけ

面接官はどういう意図でその質問をしてくるのかを知っておくと役にたちます。ぶっちゃけると面接官が聞きたいことは3つしかありません。
1. この人はウチで仕事をちゃんとできるか(スキルとカルチャーのマッチング)
2. やばい人ではないか?(すぐに辞めたり、トラブルメーカーでないか)
3. 内定を出したら入社してくれるか?
この3つをチェックするためにいろんな質問をしてくるわけです。
では具体的な流れと質問内容を見ていきましょう。
面接会場に到着したらやること

面接会場が初めて行く場所であれば余裕をもって到着するように出発しましょう。もし冬でコート類を着ている場合は、会社の建物に入る直前に脱いでおくようにします。
受付で自分の名前と用件(面接で来たこと)を伝えます。担当者がわかっている場合は、所属部署と名前も伝えます。
担当者に案内される場所は待合室の場合と、面接会場の場合があります。
待合室に案内された場合は、その時に履歴書や職務経歴書を提出することが多いです。
また荷物をここに置いたまま面接会場に移動するパターンと、待合室には戻って来ないので持って行ってくださいと言われるパターンがあります。
いざ面接!まずは自己紹介

会場に入る前にドアをノックします。どうぞと言われたら開けて軽く会釈をして入室します。着席をうながされるのを待って着席します。
多いパターンとして「まずは自己紹介(自己PR)をお願いします。」と言われます。指示がない場合は2、3分で短く自己紹介を終わらせるか、ある程度時間をかけるか迷うところですが、初心者は面接官が聞きたいポイントとずれたことを長々と説明してしまうリスクがありますので、短くまとめる方が無難です
自己紹介を短くまとめた場合は、補足のため面接官がもっと聞きたいことを質問してくれますので説明します。
自己紹介では以下のポイントを盛り込むようにします。
①自分の経歴(やってきたこと)
②自分の強み(①から得たこと)
③これらを新しい会社でどのようにいかしていくか
自己紹介の原稿を作るときは、この応募したポジションの要求するスキルや業務内容(Job Description)をじっくり読んで、その内容に合わせたものを作りましょう。
面接官が興味があるのは「このポジションで要求される仕事をやっていけるか?」ということですから、そのポジションで要求されるスキルにポイントを絞って説明することが肝要です。
自分がいろんな経験をしていたとしても、応募したポジションと関係のないスキルを延々と説明しても面接官は聞くふりはしますが、あまり興味をもっていません。
限られた面接時間がポイントのずれた自己PRで占められてしまうミスマッチがないように気をつけましょう。
志願者の懸念点をチェックする質問

面接官は自己紹介で志願者の最低限のスキルを確認したら、チェックしておきたい懸念点を確認しようとします。志願者が嘘でごまかしていたり、そうでなくてもできれば隠しておきたいようなこともあるかもしれません。
企業が人を雇用することはコスト面で大きなリスクです。また採用担当者は変な人を採用したら自分の評価に直結しますので、懸念点を払拭しないとなかなか採用には至りません。
懸念点を払拭する質問はたとえば以下のようなものです。

転職回数が多いようですけど、それぞれの会社を辞めた理由を教えてもらえますか?
○○社を辞めた後、1年間ブランク期間があるようですが、その期間は何をされていましたか?
前職では○○という点で上司の仕事の進め方に疑問を感じたと言われましたが、うちの会社でも同じようなことが起きたらどうしますか?
志願者はできれば自分が成功した仕事や長所ばかりをアピールしたいところですが、面接官は上記の理由から志願者が触れたくないネガティブなポイントを確認しておきたいのです。
ネガティブな質問をされると圧迫面接をされたと思ってしまう人もいますが、必ずしもそういうわけではないのです。
対策としては自己PRや履歴書、職務経歴書などを準備したら第三者にチェックしてもらいましょう。自分では気にしていなかったポイントが客観的にみると突っ込まれポイントになっていたりします。
志願者の志望度を確認する質問

志願者のスキルと懸念点が確認できて採用基準を満たした場合、つぎに採用担当者が気にするポイントは「この人は内定を出したらウチの会社に来てくれるか?」ということです。
企業は内定を出したら他の人たちを断らなければなりません。結構なお金と時間をかけてようやく集めた志願者たちを全員断ったのに、フタを開けてみたら内定辞退されて結局全ての努力が水の泡というのが最悪のパターンなわけです。
そこで、いろいろな質問をして志願者の本気度をはかります。
たとえば以下のような質問があります。

他にどんな業界を受けていますか?(ウチが第一志望なのか)
希望年収はどれくらいですか?(いくら出せば来てくれるか)
ウチの商品を使ったことありますか?(知らない場合志望度低い)
内定出したら来てくれますか?(ド直球)
最後に何か質問はありますか?(質問がなかったり具体的でない場合は志望度低い)
これらの質問に対してあいまいな感じだと、
「うーん、この人は他に行っちゃいそうだなー。内定出すのはリスクがあるな。」
と判断される可能性があります。
ただし他社も受けているのは普通のことですから、そのことが即ネガティブに働くということはありません。
むしろ志願者の評価が高い場合は、ライバル社に取られるくらいなら早めに内定を出そうという場合もあります。
重要なことは、内定を出したらウチに来てくれそうだなーと思わせることです。
たとえ第一志望ではないとしても、第一志望だと思わせないと内定というのはなかなか出ません。
この点、新卒の採用は一定の内定辞退を見込んで多めに内定を出しておくというのが通例ですので少し話が違ってきます。
最後の決め手はやる気と気合

さて面接は以上のような流れと質問がなされますが、仮に同じような評価の志願者が二人いてひとりだけ内定を出す場合に、決め手になるのは最終的にはやる気と気合です。
私の知り合いに、三菱商事の最終面接が終わった後なかなか連絡がなかったため、自分から人事担当者と役員に電話したうえ、説得して内定を勝ち取った人がいます。
なかなか内定の連絡がないということは他の志願者との比較で迷っているということですから、いきなり電話してきてガンガンとネゴしてくる志願者というのはかなり変わっているけどやる気と気合だけはあると思われたのではないでしょうか。
世界で百戦錬磨の猛者と戦う商社マンには多少の強引さと気合が必要ですから、将来有望と思われたのかもしれません。いずれにしても、面接は競争試験なので少しでも他の人よりアピールできた人が内定をゲットすることもあるということです。
なので前の記事でもいろいろ書きましたが、あまりテクニックや知識だけを鵜呑みにせず、基本的には自分の情熱とやる気で勝負しましょう。という結論で締めておきます。